上司の緑思考が部下の青思考を「素直ではない」と感じる

エマジェネティックス®で分類される緑(構造型)脳は、「予測できる未来を好む」脳であり、「予測できない未来を避けたい」脳です。 予測できないトラブルを避けたいので、ルールや規則を重視する傾向があります。   昨年、ある会社の幹部会議にて相談を受けました。 「優秀だろうと思って採用した新入社員のAさんの評判が悪いのですが、この人の採用は間違いだったのでしょうか?」 「配属先の相性の問題かもしれないと思って、3ヶ月毎に配置転換しましたが、どの部署でも評価が悪いのです」 こう言ってプロファイルを見せられました。 エマジェネティックス®(EG)は、能力はわかりません。したがって、採用すべきかどうかはわかりません。 また、エマジェネティックス®では、全ての人に得意なこと、素晴らしい点があると考えます。 どんなプロファイルも完璧なのです。 そのため、プロファイルだけではこの方の採用についての成否はわかりません。 ただし、コミュニケーションスタイルについては、プロファイルが明らかにしてくれます。   そこで、過去に配属になった部署の上司、直接指導をされる先輩のプロファイル全てを見せていただいたところ、とても驚くことがありました。 なんと、全員が緑(構造型)最顕性だったのです。 新入社員Aさんは青(分析型)最顕性です。 これで問題の原因が見えました。 青(分析型)脳は、「なぜこの仕事をする必要があるのか」「この仕事の目的は何か?」を知りたいと考えます。また、そうしたことを理解できると、その目的達成ために最短コースを自ら考え出します。しかし、そうした目的が不明確だと、なかなかやる気が起きません。 そこで、幹部の方々に以下のように聞いてみました。 「この新入社員Aさんは、『この仕事の目的は何か?』『なぜこの仕事をしないといけないのですか?』と質問してくるのではないですか?」   緑脳は、「○○する決まりになっている」「○○しろと上司や先輩に指示されたら、なにも言わずに取り組むのが当たり前」と考えます。 そこに青脳で「なぜやらないといけないのですか?」と質問があると、「反抗的」「素直ではない」と感じてしまったのでしょう。   こう解説した時に幹部全員が「あっ!!本当だ!!私達は新入社員Aさんに『なぜこの仕事をするのか』という目的や理由は説明せず、やり方(プロセス)だけを伝えてました」とおしゃいました。   エマジェネティックス®を使ってわかるのは、「人によって普通が違う」ということ。 普通が違うと、自分の常識で相手の言動を判断するため、様々な誤解を生み、ミスコミュニケ-ションを起こしてしまいます。 上司が「部下の普通」にあわせて指示、指導をしてあげれば、その部下は持っている能力を発揮してくれますが、「部下の普通」と異なる普通で伝えても、能力を発揮できないのです。

緑(構造型)思考顕性上司が気をつけるべきこと

緑潜性の部下は「○○して当然」とは思っていません。部下が青顕性であればその仕事の「目的」を伝えます。赤顕性ならばその仕事をやることで「誰が喜ぶか」を伝えます。黄色顕性ならばその仕事のどこが「他と違う」「新しい」のかを伝えるとモチベーションがあがり、能力を発揮してくれます。

緑(構造型)潜性の部下が気をつけること

緑顕性の上司は「規則」「プロセス」を重視します。規則から外れること、規則に疑問を挟むことを好みません。詳細にプロセスが理解できないことを嫌がる傾向もあります。 緑顕性の上司に報連相する場合は、「いつ」「誰が」「誰と」「誰に対して」「何を」「どのように」「どうしたのか」を時間軸に沿ってありのままに伝えてください。プロセスがわからない報連相は、報連相として認めてもらえない傾向があります。 また、緑脳の指示の多くは、緑脳上司の過去の成功体験に基づいています。その指示のとおりにやると上手くいきます。そのことを念頭におき、まずは上司の言うとおりにやってみることを心がけましょう。     エマジェネティックス®(EG)研修を受講し、各特性を理解することで、上司や部下でありがちな問題の解決につながります。 日々、エマジェネティックス(EG)で学んだ特性を意識し、自分の特性と相手の特性について「色で考える」ことを習慣化してください。 そうすれば、エマジェネティックス®研修で学んだ内容を実践的に活用できるようになります。

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