「やる気がない」のではなく、
“伝わっていなかった”だけかもしれない。
離職やすれ違いに向き合う中で見えた、EG導入の本当の価値
株式会社ミカドグローバル

■書籍との出会いから始まった、EG導入の第一歩
まず、EGを知ったきっかけから教えてください。
もともと私は、株式会社武蔵野の考え方に関心があり、SNSを見たり、小山社長の書籍を
何冊も読んだりしていました。
会社見学にも参加したことがありますし、経営や組織づくりについて学びたいという思いは、以前から強く持っていたんです。
そんな中、小山社長の書籍の中でEGのことを知りました。
ちょうどその頃、社内では人間関係を背景に退職者が出ていた時期でもありました。
本人たちの話を聞くと、どちらか一方が悪いという単純な話ではなく、
お互いに言っていることも分かる。それでも辞めてしまう。
そんな状況を前にして、「何か別の角度から人間関係を見られる方法はないか」
と探していた時に、EGが目に留まりました。
「これは何かのきっかけになるかもしれない」と感じ、
入門ワークショップに申し込んだのが最初でした。
■最初に取り組んだのは、“全員に知ってもらうこと”
導入にあたって、最初に取り組まれたことは何でしたか。
最初は、とにかく社内でEGを知ってもらうことでした。
私と、弊社代表の住藤がアソシエイトとして関わりながら、まずはEGのワークショップを実施し、
社員だけでなく、参加できるアルバイトの方にもできるだけ触れてもらうようにしました。
弊社は、行動特性が左寄りの方や、構造型顕性の方が多い傾向があります。
そうした中で新しい取り組みを急に持ち込むと、「また何か始まった」
と受け取られてしまうこともあります。
だからこそ、いきなり活用を求めるのではなく、まずは「EGとはこういうものなんだ」
「知っておくと役に立つかもしれない」という状態をつくることを意識しました。
その土台があって初めて、店長やブロック長など、組織の中心にいる人たちの中で、
「これはあった方がいいよね」という感覚が少しずつ広がっていったと思います。
■トップが変わらなければ、浸透しない
―導入初期に苦労されたことはありましたか。
やはり最初は、EGの言葉の意味や考え方そのものを理解してもらうところが大変でした。
使う前に、最低限の基礎知識がないと活用のしようがありませんから。
ただ、それ以上に大事だと思っていたのは、私たち(荒川・住藤)自身が変わることでした。
上から「これをやれ」と押しつけても、形だけで終わってしまうと思ったんです。
だからこそ、「EGを学んだことで、トップの2人が良い方向に変わったよね」と感じてもらうことを
一番大切にしていました。実際、私たちが話しやすくなった、関わりやすくなった、
仕事を進めやすくなったと周囲に感じてもらえれば、「それってEGのおかげなんじゃないか」と
自然に興味を持ってもらえる。導入を進めるうえで、そこはかなり意識していました。
■「やる気がない人」だと思っていたのは、自分の誤解だった
実際にEGを使ってみて、どんな気づきがありましたか。
私も住藤も、行動特性が右寄りということもあって、EGを知る前は、反応が薄い人やあまり発言しない人を見ると、どこかで「やる気がないのかな」と受け取ってしまっていたところがありました。
でも、EGを通じて見えてきたのは、そうではなかったということです。
たとえば自己表現性が左寄りの人は、自分の考えがあっても、すぐには言葉にしない。
こちらから聞くと、小さな声で「やる気はあります」と返してくれることもある。
つまり、伝え方や表し方が人によって違っていただけなんです。
あの気づきは本当に大きかったですね。
相手が悪いのではなく、自分が見誤っていたのかもしれない。
EGは、その誤解に気づかせてくれた存在だったと思います。
■ネガティブな反応の背景には、“間違った使い方”があった
社内の皆さんの反応はいかがでしたか。
全体としては、かなりポジティブに受け止めてくれた人が多かったと思います。
ただ、一部でネガティブに感じている人もいました。
そういう人たちの話をよく聞いていくと、多くの場合、現場での使い方に原因がありました。
たとえば、上司が「あの人はこういう特性だから・・・ダメだ」といった言い方を
してしまっていたり、EGをラベリングの道具のように使ってしまっていたりするケースです。
それでは、受け取る側は当然つらいですよね。決めつけられていると感じたら、
EGそのものに嫌な印象を持ってしまう。だから、EGは「何を知るか」だけでなく、
「どう使うか」がとても大事だと感じています。
■離職率の改善と、長く働く人の多さに表れた変化
導入前に直面していた課題には、どのようなものがありましたか。
一番大きかったのは、離職と、本音が言いにくいことだったと思います。
EG導入前の離職率については、当時の数字を取っていなかったことや、
「何をもって離職とするか」という定義によって見え方が変わることもあり、
厳密な比較は難しい部分があります。
ただ、感覚ではなく、確実に離職率は下がっていると感じています。
毎年辞める人は少なくなっていますし、アルバイトから社員になる人も毎年3~4人ほどいます。
弊社は新卒採用が難しい業界でもあるため、
アルバイトの方が長く働いてくださることは非常に大きいんです。
5年以上働いている方も多いですし、10年以上勤めてくださっている方もいます。
そうした環境ができている背景には、EGを通じて人間関係への理解が進んだことも、
少なからずあるのではないかと思っています。
■人格ではなく、“特性”で話ができるようになった
導入後の変化は、日々のコミュニケーションにも表れていますか。
はい。まだ道半ばではありますが、特にマネジメントをする立場の人たちの中では、
「自分にはこういう傾向がある」「ここは気をつけないといけない」
という認識がかなり広がってきたと感じています。
以前であれば、相手を見て「あいつはダメなやつ」と、人格に近いところで責めてしまっていた
場面でも、今は「この特性だから、こういう伝え方のほうがいいかもしれない」と
考えられるようになってきました。これは大きな変化です。
EGがあることで、人格を責めずに済むんです。「あなたがダメなんだ」ではなく、
「特性上、こういうことが起きやすいよね。では、その対策をどうしていく?」と話せる。
それだけでも、組織の空気はかなり変わると思います。
■会議の進め方にも、EGの視点を取り入れている
幹部や経営陣の中では、どのように活用されていますか。
今年からは、会議の進め方そのものにもEGの視点を取り入れています。
会議前に、「どういう姿勢で話し合うのか」という確認事項を
読み上げてから始めるようにしているんです。
正直に言えば、毎回やるのは面倒に感じることもあります(笑)。
でも、一度読むことで「今日はこの点に気をつけよう」と意識が整うんですよね。
特に私の特性上、つい自分の感覚で進めてしまいやすいところがあるので、
立ち止まる仕組みとして機能していると思います。
■アソシエイト資格を取ったからこそ、深く伝えられるようになった
アソシエイト資格を取って良かったことは何ですか。
一番大きいのは、EGを深く理解できたことです。資格を取っていなければ、ここまで本質的に理解することはできなかったと思いますし、結果的に間違った使い方を防ぐことにもつながっています。
また、EGを学んでいく中で、私は本当にEGが良いものだと確信するようになりました。
人間関係に悩んでいる方は本当に多いですし、この考え方を社内だけでなく
社外の方にも伝えたいと思い、社外でもEGの講師ができる資格を取得しました。
これからAIが進化しても、人と人との関わりがなくなることはないと思っています。
だからこそ、こうしたテーマに向き合う仕事は、これからも必要とされるはずです。
■「すぐに売上が上がる魔法」ではない。だからこそ価値がある
最後に、EGを検討している方へメッセージをお願いします。
EGは、導入したからといって、すぐに売上が何倍にもなるようなものではありません。
そういう意味で、分かりやすい即効性を期待すると、少し違うかもしれません。
ただ、組織の中で起きている問題の“根っこ”に気づくきっかけには、必ずなると思っています。
自分では見えていないすれ違いや誤解に気づけるようになる。その価値はとても大きいです。
実際、ワークショップに来て体感していただくと、多くの方が「すごく良かった」と
言ってくださいます。私は本当に良いものだと信じていますし、しっかり活用していけば、
仕事だけでなく人生そのものが少しずつ良くなっていくと感じています。

