成人のエマジェネティックス®プロファイルが変化するのは「まれ」

成人のエマジェネティックス®プロファイルが変化するのは「まれ」

エマジェネティックス®の基本を知っていただく「入門コース」や「MOTM研修」では、プロファイルが変化するかどうかということについては「変わることもある」とお伝えしています。
ところが、「プロファイルは変わる!だから定期的に取得するべきだ!」とおっしゃるユーザー様がいらっしゃいます。
そこで、プロファイルの変化について取り上げたいと思います。

そもそも「変わる」とはどういうことか?

まずは、エマジェネティックス®プロファイルが変わるのか?ということについて、エマジェネティックス®の科学がどう説明しているかについて、詳細をお伝えします。

エマジェネティックス®プロファイルは、色と数字で表現されています。
日本人の多くが、この数字が変化すると「変わった!」と認識しているようです。
しかし、エマジェネティックス®の開発者の一人であるウェンデル博士は、プロファイルが変わったと判断するのは、以下のような場合であるとおっしゃってます。

パーセンタイルの数値が左寄りから右寄りに変わった(右寄りから左寄りに変わった)時

したがって、以下のような場合は、プロファイルが変わったとは認識しないとされています。

  • 潜性が顕性に変わったり、潜性が顕性に変わったが、22パーセントが23パーセントになった程度の変化である場合
  • パーセンタイルの数値が、33パーセンタイルが、34パーセンタイルになった程度の軽微な変化しかない場合

エマジェネティックス®は統計を用いてプロファイルを作成しています。
他の人と比べてどうか?という視点で作られています。
そのため、パーセンタイルが用いられていますが、統計学である以上、一定の誤差はあります。
したがって、数字の変化については「誤差」の範囲がある程度見込まれており、少し数値が変改しただけでは、変わったとはみなされていないのです。

以下は、筆者のプロファイルは2009年07月と、2015年2月時点のものです。

K.Okamoto Jul. 2009 EG Profile K.Okamoto Feb. 2015 EG Profile

 

2009年の自己主張性は43でしたが、2015年の自己主張性は82になっています。
他人から見れば、明らかに行動が変わったように見えると思います
とはいえ、この変化を周囲の人が理解していないと、コミュニケーションに大きな弊害が起きるか?というと、変化の幅がこの程度であるならば、それほど頻繁、深刻に起きる可能性は少ないでしょう。

思考特性の円グラフを見ると、顕性であるのは青と黄色の2色であるのは、2009年も2015年も同じです。
2009年に潜性だった赤と緑は2015年も潜性のまま
ただし、棒グラフを見ると、赤は55パーセンタイルから16パーセンタイルになってますので、真ん中から左寄りに変化しています。
他人の感情については、重視しなくなったとは言えるでしょう。

ですが、円グラフを見ると、顕性と潜性の色に違いは無く、この変化によってコミュニケーションが大きく変わるか?と言われると、やはり深刻な変化にはならないでしょう。
つまり、大枠では変化しなかったとみて良いと判断できるわけです。

つまり、個人の詳細を見ると変化したと感じますが、コミュニケーションを取るときに、どの程度の影響があるかという視点でいれば、変化の幅は大きいとは言えないわけです。
これが、プロファイルが変化するということはあまりないという説明につながるわけです。

こうした考え方を元に、統計データを分析すると、大きくプロファイルが変化するという人は滅多にいなかったのです。

入門コースやMOTM研修の中で「変わることもある」という言い方をしているのは、「大きな変化のある人は滅多にいない」ということですが、上記のような考え方がベースになっています。

本当に変わったのか?

「プロファイルが変わった!」とおっしゃる方にお話をお聞きすると、「変化する前のプロファイルか、新しく取得したプロファイルのどちらかが、正しく取得できていない可能性が高い」と感じることが珍しくありません。
数値をとっているわけではないのですが、その頻度はとても高く、本当に変わったのだと感じることの方がまれです。

woman, presentation, poster

エマジェネティックス®プロファイルは「好み」を測定するものです。
したがって、「好きではないけれどがんばっている」ことは、正しい回答ではありません。

たとえば、会社で普段から「論理的に考えろ」と言われているとします。
ナチュラルな感覚では論理を重視しないのに、会社で何度も何度も論理的に考えるように言われていると、仕事をするときは論理に注意しようとするでしょう。
こうした場合、「仕事では論理を意識しているから・・・」という理由で、論理を重視すると回答してしまうという人が少なくありません。
ところが、これは無意識に注意し始めたのではなく、意識が作用しているわけで、ナチュラルな好みとは言えないはずなのです。

こうした回答は「質問を聞いた瞬間に感じたこと」ではなく「考えてみると・・・だ」というものになるでしょう。
人間の無意識の好みを知りたいのに、意識によって制御した回答になるので、本当に欲しいプロファイルとは言えないわけです。

よって、以下のような場合は、以前のものか、新しいもののどちらがか、正しくないと考えられます

就活の採用プロセス途中でとったプロファイルと、入社後半年経過してからとったプロファイル

就活中は内定がとれる回答はどれか?と考えて、本心でない回答を選ぶ傾向があります。

会社から「仕事の時にどう考えるか?で回答しろ」という指示の元に取得したプロファイル

前述の通り、意識を用いて本心を覆い隠した回答になることが多く、信頼できるプロファイルとはいえません

 

100の質問に回答する時の心がけ

gray and white click pen on white printer paperプロファイルで表されている特性からは想像できない行動、発言をする方に出会うことがあります。
ご本人に、「プロファイルからみるとこういう特徴がありますが、自分の特徴と一致しますか?」と時間をかけて説明、ヒアリングをすると「間違いなく自分の特性を表している」とおっしゃったのに、矛盾する発言、行動が多いのです。
そうした方には「先ほど・・・のような行動をされていましたが、本当はしたくなかったのではないですか?」と質問すると「本心で言えば嫌です。(でも、仕事だからがんばってます)」とおっしゃることが大半です。

正しいプロファイルを見ると本心がわかります。
こうした方は、本来の自分の好みとは異なることをされているので、非常にストレスがかかっているのです。
ですから、「ご自宅に帰られたら、かなりお疲れになってませんか?」とお伺いすると、「そうです。くたくたです」とお答えになることが大半です。

この、無理をしているのか、自然な事なのか?をプロファイルを通じて相互に理解すれば、コミュニケーション、職場環境がとてもよくなります。
逆に言えば、ナチュラルな本当のプロファイルがわからないと、本当の意味での相互理解に役立つ道具にすることが難しくなります。

ですから、プロファイルを取得する100のアンケートに回答する時は、ナチュラルな本当のプロファイルを得るためにも、以下の前提で回答していただきたいのです。

  • 回答は、じっくり考えて選ぶのではなく、ナチュラルな自分の本心に従って選ぶ
  • 「仕事の時は・・・」「・・・すべき」と考えて回答するのではなく、制約がない場合に、自分がどう感じるか?という規準で選ぶ(考えるのではなく感じたものを選ぶ)
  • 迷ったら、自分のDNAがどう感じたか?を自分に問いかけてみる

本当のプロファイルはどっち??

Question Marks on Paper Crafts過去に取得したプロファイルと、新たに取得したプロファイルに変化が見られた場合、どちらが本来のDNAがもたらしているものか?を判断したいところです。

本来のDNAによってもたらされた行動や思考の好みと異なることを強要されると、大きなストレスを感じます。
DNAによってもたらされたプロファイルのままの思考、行動が許されていれば、ストレスをあまり感じなくて済みます。

そこで、私達は「以前のものを取得したときと、今回新しく取得した時とで、日常生活や仕事において、より強いストレスを感じていたのはどちらですか」と質問することが多いです。

「以前の方がストレスを感じていた」のなら、新しいプロファイルの方がDNAに近いと思われます
「新たに取得した時の方がストレスが大きい」のであれば、以前のプロファイルの方がDNAに近いと思われます。

とはいえ、プロファイルは100の質問に回答してくれた人の物です。
そのため、他人が「あなたの正しいプロファイルはこっちだ!」と言うのはNGです。

基本的には、「自分の好きなプロファイルを正しいプロファイルとしてください」というのが基本のスタイルです

ゲイル博士の考え(プロファイルは取得し直さなくてよい)

上記のように、プロファイルが変化することはまれです。
エマジェネティックス®プロファイルの開発者であるゲイル博士は、「本人が自分のプロファイルが変化したに違いないと思わない限り、再取得する必要は無い」とおっしゃってました。
上記のように、正しくプロファイルを取得できていれば、よほどのことが無い限り再取得する必要は無いというのが、ゲイル博士やEGIの考え方になります。

 

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