本屋さんのビジネス書のコーナーに行くと、毎月何冊か「心理的安全性」について書かれた本が出版されていることがわかります。
そうした本を何冊も読みましたが、玉石混交だな~と感じます。
残念ながら、中には心理的安全性のことを正しく理解していないと思われる書籍も・・・
「心理的安全性」という概念を提唱したのはハーバード・ビジネス・スクールのエイミー C. エドモンドソン (Amy C. Edmondson)教授です。

Amy C. Edmondson 教授によれば、「心理的安全性が高いチームでは、チームのメンバーが、リスクを冒し、自分の考えや懸念を表明し、疑問を口にし、間違いを認めてもよく、そのいずれをもネガティブな結果を恐れずにできると信じている。」とされています。
これを、「率直であることが許されるという感覚」と表現されています。
ところが、日本語の「心理的安全性」という語感から、「仲が良い組織」「居心地が良い組織」であることだと誤解している方が多く、書籍の中にもそうした記載を見ることも珍しくありません。
仲良しの相手だからこそ、素直に言えないということはありますし、居心地が悪くなることを避けたいので言えないということがあり、素直であることができない状態になることがあります。
つまり、「仲が良い組織」「居心地が良い組織」が心理的安全性の高い組織とは言えないのです。
また、「心理的安全性が高い職場とは楽しく優しい職場である」「心理的安全性とは『思いやり』であり『いい人』でなくてはならない」と誤解している人も多いようです。
ところが、「あの人が楽しそうにしているから、あの人の気分を害したくないから、この指摘・反論は控えよう」「思いやりがない人(上司)、いい人ではないと思われたくないので、指導を控えよう」ということがあり、やはり、素直になれない状況になることがあります。
つまり、心理的安全性を高めるために「優しく」「いい人」であらねばならないわけではないですし、「楽しく優しい職場」が心理的安全性が高い職場ではないのです。
さらに、「仲良し」「居心地」「優しさ」「良い人」「思いやり」を優先する組織になると、「厳しさ」を失い「ぬるま湯」になることが非常に多いことが分かっています。
組織は成果を出すために存在するのに、ぬるい組織になってしまって、成果を出せなくなることが珍しくないのです。

Google において人材開発や組織改革の分野で活躍し、心理的安全性についての実践者であり研究者として名高い ピョートル・フェリクス・グジバチ さんは、「心理的安全性の本質は、表面的な笑顔や優しさで、良好そうな人間関係を取り繕うことではない。」と断じて居られます。
実は重要なのは、以下のことだと言うのです。
- 「自分らしく周りの人に接することができる」こと
- 相手と意見が違ったなら、対立を恐れずに「自分はそうは思わない」とはっきりと自分の考えを伝えられること
- 相手が間違っていたり、至らないと思うところがあれば、「それは違うのではないか」とお互いに率直に言い合えること
上記ができるなら、仲良しである必要も、居心地を追求する必要も、優しくある必要もないのです。
心理的安全性の高い組織では、あるがままの自分でいることを周囲の人が受けいれてくれること、考えていることを素直に表したとしても人事評価が下がらないと信じることができるとされています。
ルパン三世の一味の関係や、シティハンターの冴羽 僚 と海坊主の関係を見ても、なれ合っているようなところはなく、お互いに言いたいことを言い合って信頼し合っているように思います。
彼らの間では心理的安全性が担保されているのだと思います。
では、あるがままの自分でいることを周囲の人が受けいれてくれること、考えていることを素直に表したとしても人事評価が下がらない組織となるにはどうすれば良いのでしょうか?
最近の研究者から良くきくことが増えたのが「心理的柔軟性を広げる」ということです。

「心理的柔軟性」は「心理的安全性」とは異なる概念です。
ACT(アクト:Acceptance and Commitment Therapy)と呼ばれる心の健康を維持・回復させる療法に用いられているそうです。
心理的柔軟性は、マインドフルネスの考え方をベースとしており、「十分な気づきと完全に開かれた心をもって、”今、この瞬間”に存在し、自分の価値に従って行動する能力」とされています。
参考:仏教・マインドフルネス・アドラーの心理学そしてエマジェネティックス
心理的柔軟性を広げることで、あるがままを受けいれることになる。
組織のメンバーがお互いに、「あるがままを受けいれる」ことができれば、先でも述べた以下のことが実現するだろうということです。
「自分らしく周りの人に接することができる」こと
相手と意見が違ったなら、対立を恐れずに「自分はそうは思わない」とはっきりと自分の考えを伝えられること
相手が間違っていたり、至らないと思うところがあれば、「それは違うのではないか」とお互いに率直に言い合えること
エマジェネティックス®は、人と自分が異なることを教えてくれます。
重視しているポイントが異なるので、意見が異なるのは当たり前であると教えてくれるわけです。
お互いの特性を理解していれば、相手のことを受けいれることができるようになるでしょう。
エマジェネティックス®を正しく理解し、活用すれば、自然とが心理的柔軟性を広がるのです。
心理的柔軟性が広がると、心理的安全性が高まります。
エマジェネティックスは科学ですが、難しい理論、理屈を習得する必要はありません。
小学校5年生でも理解できます。
生産性の高い組織を作るため、エマジェネティックスを正しく理解し、活用してください。

エマジェネティックス マスターアソシエイト
エマジェネティックスインターナショナル ジャパン COO
株式会社EGIJ 取締役社長
略歴:大阪大学工学部(品質評価工学専攻、卒論テーマ:「ビーム要素を用いた有限要素法解析による繊維強化複合材料剥離進展シミュレーション」)卒業後、商社にて鉱産物の輸出入に携わる。
IT系ベンチャー企業役員を経て独立、10年間経営した会社を倒産させた後に株式会社EGIJに参画。
日本におけるエマジェネティックス普及のために奔走中。

