多くの認定アソシエイト資格をお持ちの方から、エマジェネティックス®のアプリに、AIを入れてはどうか?という提案をいただくことが増えました。
多くの場合、「誰かが何かの発言、行動をした時、その行動や発言が、どんなプロファイルによって引き起こされているのかをAIが教えてくれるのでは?」というものです。

エマジェネティックスが示す行動特性3つ、思考特性4つについて、その特徴をAIに読み込ませておくことで、それができるだろうというご意見・ご要望です。
確かに、技術的には可能なレベルではないか?と思います。
しかし、アプリにその機能が実装されていたとして、日常生活や実務でどうなるか?と考えると、あまり使われないのでは?というのが私の個人的見解です。
エマジェネティックスは、ある人の発言や行動を、他の人がどのように評価するか?を明確にする科学・理論・ツールだと思います。
人は誰もが、お客様のために、会社のために、同僚のために、「良かれと思って」発言、行動をしています。
この「良かれ」と思う判断基準は、基本的に自分の「利き脳」によって判断されます。
「利き脳」とは、意識しなければ主に使う脳であり、利きではない脳は意識しなければ使いません。
そして、人間が意識的に行動できるのは、全行動の10%に満たないと言われているので、9割以上の割合で、利き脳が考える「良い」発言、行動をしているのです。
利き脳によって、何を「良い」発言、行動と思うかが異なります。
例えば、分析型脳にとっては、感情を排除し、合理的にメリットとデメリットを検討し、より、メリットが多いと論理的に導き出すことを「良い」ことと考える傾向がありますが、非合理的で感情的な判断を「悪い」と感じる傾向があります。
しかし、社交型脳にとっては、論理や合理性よりも、感情が最も重要であり、他人の感情に寄り添うことが「良い」ことであり、その決断によって損をするのか、得をするのかという理屈を「悪い」と感じる傾向があります。
同じ発言、行動を評価する側の「利き」脳が異なると「良い」「悪い」が全く異なるのです。
認知心理学においては、これを「バイアス(=偏見)」と呼んでいます。

アドラーは「人の悩みは対人関係である」と言いましたが、エマジェネティックスの科学によって明らかになったのは、対人関係が悪化する理由は、こうした利き脳の違いによって、自分が良かれと思ってした発言や行動を「悪い」と否定され、人格を否定されたように感じることが大きな原因です。
そして、日常生活では、無自覚、無意識下で、瞬時にこうした判断をし、瞬時にこうした感情を抱くことになります。
9割以上の確率で無意識下で行動しているため、都度都度、スマートフォンやPCを開いて、「この相手の発言や行動はどんな特性によって行われたのか・・・」と調べようと、意識的に行動することはほとんどないのでは?と思うのです。
つまり、AIが教えてくれるシステムを作ったとしても、あまり活用されないのでは?と思います。
使うとすると、過去を振り返って、「あの時は・・・」と原因を探るという時かと思います。
しかし、それでは遅いのです。
イラッとしたとき、嫌な気持ちになったとき、その時に間髪を入れずに特性を考えるからこそ、相手に悪感情を残さないでいられるわけで、後になってからでは遅いのです。

逆に言えば、エマジェネティックスを活用できるようになるとは、自分が「悪い」と感じた発言や行動を、「悪い」と感じた瞬間に、「相手の特性から考えると当たり前だよね」と瞬時に理解することです。
一人一人が、エマジェネティックスの特性を理解し、身に付けることで実現します。
従って、日常生活や日常業務でAIに教えを請うシステムという形ではなく、わざわざ、システムに聞かずとも瞬時に理解できるように知識を身に付けることが必要であり、AIは、そうした学習を支援するために使うのが、エマジェネティックスにAIを導入する最適解ではないでしょうか?
技術が進歩し、同時通訳のように、着用したメガネに相手のプロファイルが表示され、かつ、相手の発言や行動が相手のどんな特性によって引き起こされているのか、リアルタイムで伝えてくれるようなシステムが出来れば、実務的に使えるかも・・・と思ったりもします。(逆に、情報過多で困るかもしれません)

エマジェネティックスが教えてくれる特性は、行動特性が3つ、思考特性は4つしかありません。
たったこれだけで、人のことを理解できるのです。
特性診断ツールは他にもありますが、これほど実用的でありながら、シンプルで簡単に覚えることができるものは聞いたことがありません。
エマジェネティックス®はアプリのような補助ツールがなくても、相手を理解できるようになる、シンプルな科学なのです。
システムに頼るまでもなく、簡単に身に付けることができると思いますし、エマジェネティックスの存在を知らないことも、身に付けないことも人生やビジネスにおける大きな損失だと思います。
是非、この簡単なのに、パワフルで有益な科学を、世界中の人に知っていただき、使っていただきたいと切に願ってやみません。

エマジェネティックス マスターアソシエイト
エマジェネティックスインターナショナル ジャパン COO
株式会社EGIJ 取締役社長
略歴:大阪大学工学部(品質評価工学専攻、卒論テーマ:「ビーム要素を用いた有限要素法解析による繊維強化複合材料剥離進展シミュレーション」)卒業後、商社にて鉱産物の輸出入に携わる。
IT系ベンチャー企業役員を経て独立、10年間経営した会社を倒産させた後に株式会社EGIJに参画。
日本におけるエマジェネティックス普及のために奔走中。

