エマジェネティックス®プロファイルによって示される行動特性の違いは、職場で大きなストレスを生むことがあります。コミュニケーションの問題の多くは、人の目に見える行動によって引き起こされています。行動特性を押さえることが、最も早くコミュニケーションをよくするコツです。
自己主張性左寄りは自らの信念、実現したいと思っていることを実現させる上では、「揉めないようにすること」を重視します。
揉めないことを重視するので、急がなくても良い、無理に自分の意見を通そうとする必要は無いわけです。
揉めたくないので、正しくありたい。間違えたくないという想いを強く抱く傾向があります。
そのためには、間違えがないか自分の中で考えてから発言をすることが多く、この意見を言っても良いかどうか?を発言前に考えることが多いという特徴があります。
会議においては、会議の流れと異なる意見を持っていたり、反対意見を持っていても、「この発言をすることでもめるのは嫌だ」と考えることが多く、意見を表明することを差し控える傾向があります。
経済誌などで時々見る有名な企業の経営者や幹部へのインタビュー記事では、「我が社の会議では意見を言わない人は参加させない」などと、何度も見かけることがあります。おそらく、こうした発言をされている方々の多くは、自己主張性右寄りで議論することを好み、議論しない人についてマイナス評価をする人達です。
自己主張性左寄りは、先にも述べた通り「もめるくらいなら言わないでおこう」と平和的であることを望み、議論することを避けたいと考えます。全員が自己主張性左寄りだと意見がでないという弊害がある一方、全員が自己主張性右寄りだと議論がまとまらないという弊害があります。
ところが、自己主張性右寄りの社長や上司が、会議において、「全員、各議題について、一回以上は発言すること!」とルール化していることがあります。この場合、自己主張性左寄りは仕方なく発言するかもしれません。
しかし、もめたくはないので、「さっきの人と同じ意見です」と発言することが珍しくありません。意見が本当に同じ場合もありますが、本音は違うということも珍しくありません。これでは自己主張性右寄りが意図した、「全員の意見を聞いてみたい」という目的は達成出来ません。
会議において自己主張性左寄りの方々の意見を聞きたいのであれば、自己主張性の数値が似ている2人でペアになってもらい、ペア毎に話をして発言してもらうことが有効です。あるいは、無記名式で紙に意見を書いてもらい、読み上げるのも有効です。
とにかく「もめない」ことを担保しないと、なかなか意見を吸い上げることは難しいことを知っておく必要があります。そして何よりも意見を否定しないこと。
意見を言ってももめることなく、受け容れてもらえるという安心感がないと、意見を表明しにくいということを理解しておく必要があります。
※ 昨今はそうした環境を「心理的安全性が担保された環境」と呼ばれることが多いです
エマジェネティックス®(EG)研修を受講し、各特性を理解することで、上司や部下でありがちな問題の解決につながります。日々、エマジェネティックス(EG)で学んだ特性を意識し、自分の特性と相手の特性について「色で考える」ことを習慣化してください。そうすれば、エマジェネティックス®研修で学んだ内容を実践的に活用できるようになります。