株式会社モリエン

【「レッテル貼り」という事故を乗り越えて】
~「緑なのになんで?」と問い詰めた過去を捨て、50人の仲間と手に入れた「素直に頼り合う」文化~

株式会社モリエン

せっかく導入したのに、気付けば診断結果が埃をかぶっている。いつの間にか相手を追い詰めるだけの道具になっている。 2009年にエマジェネティックス®(EG)を導入しながらも、数年間にわたり「EGアンチが7割以上」という凄惨な“事故”を経験した株式会社モリエンさま。 森社長自身が、特性を「決めつけ」の道具として使い、ご自身の「青」の正論で社員を追い詰めてしまっていた過去から、いかにして管理職を巻き込み、互いの“見えない領域”を認め、補い合える組織へと変貌を遂げたのか。その再起動の軌跡を伺いました。

エマジェネティックス®(EG)を知ったきっかけと、当時の状況を教えてください。

2009年、参加していたマネジメントゲーム研修(MG研修)の懇親会で、岡本さん(現:EGIJ取締役社長)から「森さん、MGの次はEGだよ」と言われたのがきっかけでした。岡本さんに、EGに参加するには「定規と電卓があれば良いですか?」なんて、質問していたのが今となっては懐かしいですね(笑)
当時は「人に対する悩み」が絶えず、自分と違う考え、行動をする社員や、先代社長の父にストレスを感じていた時期です。 「何を考えているか、わからん」「こいつ、会社をつぶす気か」「そっちがその気なら、本当に会社潰してここにビル立ててやるぞ!」なんて考えたり(笑)相互理解どころか相互不信状態でしたね。

EGを導入してしばらく、大きな「事故」が起きたそうですが・・?

そうなんです。まずは全社員に「初級セミナー(現在の入門ワークショップ Workshop)を受けてもらったのですが、それほどまだEGの重要性や必要性を理解しきれておらず、しばらく「ほったらかし」になっていました。 結果、私自身もEGの使い方を完全に間違え、プロファイルを見て、「この人は緑(構造型)顕性だからきっちりしているはずだ」という「決めつけ」をしてしまったりして、「緑なのになんでミスするねん!」なんて、本来は強みであるはずの特性を、相手を責める刃にしてしまっていました。
社員からすれば「プロファイルだけで自分を決めつけられたり、攻撃される、最悪なツール」という状態で・・。結果としてEGアンチが7割を超えていました。

その「事故」から再起動できたきっかけは何だったのでしょうか?

賀川さん(現:EGIJ代表取締役会長)から、社内での活用を正しくするには、アソシエイトになった方が良いと思うよと受講を勧められ、2016年に社内講師資格(アソシエイト)を取りに行き、学び直したことが転機でした。そこで改めてEGの深さに触れ、「今まで自分がいかに間違った、危険な使い方をしていたか」を痛感したんです。早速 会社に戻って学んだことを実践しよう!間違いを正そう!と試みたんですが、待っていたのは「またなんか社長がEGで話始めた・・」といった、社員からの猛烈な拒否反応と、冷ややかな空気だったんです。その時、「自分一人がEGを理解しても、このアンチの壁は突破できない。自分だけではなくて、もっと現場を巻き込まないと・・」と思いましたね。

そこから「アソシエイト6名」という驚異の体制を構築されたのですね。

はい。一度に6名ではなくて、徐々に増やしていくことでそうなったのですが、まず最初は幹部にアソシエイトの資格を取ってもらいました。幹部も最初はアンチでしたから(笑)各部門にアソシエイトが増えていったことで、現場のEGの理解も少しずつ深まり、空気も変わったと思います。また、アソシエイト以外の管理職たちにもEGの学びを深めてもらう為に、「管理職向け実践研修」などにも参加してもらいました。そのセミナーを通じて、当初アンチだった人物も、「なぜ社長はあんな言い方をするのか」「なぜ部下はここで立ち止まるのか」等をEGで論理的に理解してくれた結果、「みんな会社を良くしたいとか、良かれで動いているけれど、特性の違いによって、好みの進め方が違うからぶつかっているだけだ」ということに気付いてもらえて、そこから一気に、EGは「協力しあうための道具だ」と腹落ちしてもらえたので、アンチの壁は薄くなっていきました。

社員の方々からは「社長が一番変わった」という声も上がっていましたね。

そうですね。以前は「なんでわからないんだ!普通気づくだろう。わざとやっているのか?」等とよくイライラしていましたが、EGを学ぶほど、自分の利きではない脳(特性)に対しての理解が深まり、「分からないって、本当にこんなに分からないものなんだ。」と心から受け入れられるようになったのが大きかったですね。 社員の成長のために、あえて教えずに気づきを待つことも尊いものですが、「見えないものに気付けとか、見えていないものを考えろ」と要求するのも、EGの特性を知ると、非効率すぎることもあるだろうと思い、社員が苦手とすることが多い、「青脳」を使うような論理的思考での視点や分析が必要な場面では、「ここは俺がやろか?」と自分の強みを差し出すようにしました。逆に、自分の苦手は「分からへんから助けて!」と素直に社員に言っています。素直にみんなを頼るようになったこと等で、社員も安心してくれたのか、自分に対しても、「今の指示は最悪です!分かりません!」と、真正面からぶつかってきてくれるようになりました(笑)

現在はどのようにEGが社内で使われていますか?

主に以下の3つの場面で「仕組み」として定着しています。
「WEチーム」による採用チーム編成:インターンシップや選考の際、すべての特性の強みを活かせる「WEチーム」を編成しています。例えば学生さんの緊張に気付き、和らげる声掛けを得意とする「赤(社交型)」顕性の社員が学生に寄り添い、スケジュール管理やデータ分析は「緑・青」顕性の社員が担当する。「自分の苦手は誰かの得意」であることを、社員自身が実体験を通して学んでいます。
人事異動時の「安心」を届ける面談:異動の際は、本人と新しい上司のプロファイルを突き合わせています。「新しい上司(部下)はこういう特性だから、最初はここを意識するとスムーズだよ」といったヒントをそれぞれにお伝えすることで、異動の不安を事前のフォローで安心感に変えています。
「欠落視点」を補うチームビルディング:チームメンバーの特性が偏っている場合、あえて「不足している色の視点」を取り入れる問いかけをします(WEアプローチ)。メンバー全員が青潜性である部署では、「青利き脳の森社長だったら、何が気になるかな?なんて言うかな?」と考える等して、「欠落しがちな視点をどう補うか」を皆で検討しています。青が大事にする、「目的、目標数字」を意識することで、営業目標の達成意欲を高め、今期は前年比110%を達成した部署もありました。

最後に、 EGの導入を検討している、あるいは「導入したけれど眠らせて事故っている」経営者さまへメッセージをお願いします

EGは「レッテル」を貼って人を決めつける道具ではありません。もし今、かつての私のように「なんで分からないんだ」と孤独や憤りを感じているなら、まずは管理職を巻き込んで「味方」を増やしてみてください。 「自分には見えるが、相手には見えない世界があること」、そして同様に「自分には見えないが、相手には見える世界もあること」を認め、自分が見えているところは強みとして提供し、見えないところは仲間を信じて「素直に頼る」。その一歩で、組織の景色は必ず明るく、強くなると思います。

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